空気人形 ２

映画コピー：あなたの息で、私の　カラダを　満たして・・・

このコピー、わたし的には非常に惜しい・・・！
なぜ「カラダを」を入れちゃったのだ・・・。
『あなたの息で、私を　満たして・・・』の方が、「こころ」や「からだ」やその他いろいろ想像に幅ができて良いと思うのですが・・・。

感想は　↓　こちらから。ネタバレです。


空気人形がはじめて発した言葉は「キレイ」。
秀雄がず～っと空気人形（のぞみちゃん）に言い続けてた言葉。
最初の言葉が「キレイ」だなんて、とても素敵だと思いました。
そしてこの物語を締めくくるのも、この「キレイ」という言葉。
引きこもりの少女が窓を開け、世界に発する言葉です。
ラストシーンの言葉が「キレイ」だなんて、とても素敵だと思いました。



この作品は、とても眩しくやわらかい光に満たされています。
でも、ただ温かいだけで済まないのが是枝監督。
空気人形の日々が喜びに溢れるのに比例して、人の空虚が濃くなっていきました。

“代用”というのは悪いことではないと思うのです。
作中の吉野さんの詩のように、ひとは誰かの代用品になるかもしれないし、違う誰かが自分の代用品になることもあるかもしれない。
恋愛であればそこから始まる恋もあるだろうし、仕事であれば想像していなかった成果が上がるかもしれない。
ただ、視野を狭めて考えると難しい問題です。
恋人・部下など一般的な名称ではなく、名前のある“ひと”になると「代わりはいない」。
よく言われているように、名前は『呪』にも成り得る。
世の中には二律背反が結構転がっていたり。

正解／不正解だけで世界ができていたのなら、生きていくのは楽なのかもしれないな・・・。