SSブログ

土そよ小話 3 [いろいろ小話]

銀魂の小話です。
土方さんとそよ姫のお話。新婚話の後編です。


お題の「螺旋の接吻」のとおり、ちゅーをしてます。
螺旋型です。 ←・・・あまりツッコまぬよう・・・(笑)。




ついでに土方さんが悶々してます。









 ↓ から、どうぞ。R15ということでよろしくです。

「螺旋の接吻」




再度唇を重ねる。唇の端から、啄ばむように何度も何度も。
そしてそよの上唇を甘噛みした。こういうキスは初めてなので、そよは小さく震えた。体の力を抜くよう、俺はそよの背中を撫でるのだがいまだ力んだままだ。
今度は下唇を甘噛みする。微かに開いたそよの唇から「・・・ふ、ぁ」と甘えた声がした。
そのわずかな隙間に自分の唇を押し付け、深く口付けた。舌を挿し込み歯列をなぞると、そよの体がまた震えたが構わず続ける。
右手でそよの頬を包み、指の腹で今は熱をもってる柔らかな頬をゆっくり撫でる。そよは両手で俺の体を押そうとしたが、それ以上の力で抱き寄せた。
舌で歯列をこじ開け、そよの咥内に進入させる。声は俺の唇が飲み込んだ。上顎の裏に舌を這わすとそよの体はより強張り、下顎を責めると俺の胸を3回叩いた。
腕の中、羞恥に耐えるそよは、一言で言い表せられない。
紅潮した頬、俺が咥内で動く毎に寄せられる眉間、唇から微かにもれる甘く幼い声。
その先の姿が嫌でも脳裏に浮かんで、俺は止まらなくなった。いや、止められなくなった。
そよの舌をつかまえる。俺の舌がかすっただけですぐに奥に潜ってしまったが、それを追いつめ、舌の表面をこすりつける。舌の根元から絡めることが出来るよう吸い付くと、そよの体が弛緩した。倒れないよう俺はそよを支える。
そよの頬に涙が伝わった。
怯えさせてしまったか。頭では冷静にそう思うのに、体が言うことを聞かない。やめるどころか、より深くそよの咥内を味わいたい俺がいることを自覚する。
俺はそよの背中からより下部へと手を滑らせた。

かしゃん。

それまでの淫らな空気を裂くような金属音が部屋に響いた。俺の足指に何かが触れ、視線を下ろすと鈍く光るものが目に入った。
そよが握り締めていた家の鍵だ。力が抜けた瞬間、掌から落ちたのだろう。
俺は名残惜しみつつ、そよの唇を解放した。
「・・・ぁ、ふ・・・」
艶かしく濡れる唇にいま一度口付け、足元の鍵を拾いそよに渡した。
「あ、・・・」
されるがままに唇を許していたそよは鍵を落としたことに気づいていなかったらしい。改めて自分の掌に戻ってきた鍵を、ぎゅっと抱きしめた。
「・・・あ、の。お風呂に・・・」
語尾はよく聞こえなかったが、俺は下を向いたまま風呂場に向かうそよの背中に
「待ってる」
と答えた。

あれから何分経った?1時間か、2時間か?
とにかくとてつもなく待たされている。・・・気がする。
そよの気持ちを考慮して待っていたが、もうそろそろ迎えに行っても良い頃合だろう。俺は立ち上がり、襖をあけた。



そよは真っ白な寝着を身に纏い、正座してテーブルについていた。体から湯気が出ていないって事は、それなりの時間居間に座っていたって事か。
そよの手の中には、風呂上りのときに俺が口をつけたビール缶があった。
髪で隠れてそよの表情は見えない。しかし想像はつく。俺は苦笑しつつそよの横に腰を下ろした。
「もう気も抜けてんだろう。そんなビール不味いだろうに。」
「・・・」
俺はそよの手から缶を取ってテーブルに置いた。
「そよ、」
「わたし!」
下を向いたまま、そよにしては珍しく大声を出した。
「わたし成人しました。」
「・・・知ってる。」
「もう立派な大人です。だからビール飲んだって良いんです!」
「そうだな。」
「それに、土方さんと結婚するにあたって、色々勉強してきました。お家に鍵をかける事だって、お掃除お洗濯だって、お料理だって、バーゲン商品の見抜き方だって!」
いや、俺としては最後のは勉強しないでもらいたいんだが。
「き、キスの仕方だって勉強したし、侍女にも聞いたし、爺やにも婆やにもお兄様にも、」
「将軍に!?」
そよはこくりと頷いた。
・・・俺、将軍にそのうちぜってえ呼び出されるな・・・
「・・・でも、でもやっぱりわたし・・・下手で・・・」
・・・あ~、なにを言っちゃってやがるんだ、このお姫様は。まぁ、あれだな、恐るべきは下手な策士よりも天然なお姫様って事だな。
「本だって読んだんです。『愛の失楽園』だって侍女に借りて読んだし・・・」
「はあ!?」
『愛の失楽園』というのは某大手新聞に掲載されていた連載小説のことだ。過激な性描写が売りで、世の勤め人の股間を朝っぱらから多いに刺激した。完結後単行本化したが、そよはそれを読んだのだろう。
「・・・でもよくわかりませんでした・・・」
そうだろうよ。
「だって、だって、『彼女の蕾』とか『俺の息子』とか、どうして突然お花畑の話になるのですか、子供の話になるのですか!?辞書引いてもわからないし、侍女に聞いても曖昧に笑ってごまかされるし・・・」
辞書に載ってるわけねえだろう!
っていうか、いま『蕾』とか『息子』とか口に出してくれるな!
思わず出てしまったため息を勘違いしたのか、そよは恐る恐る顔を上げた。
「・・・やっぱりこんな娘は嫌ですか・・・?」

こ・ん・の・お・姫・様~!

潤んだ瞳で見つめられ、もともと太くもない俺の我慢の糸はプチンと切れた。そよの腕をつかみ強引に抱きしめる。
「だったら初めっから、貴女に惚れちゃいねぇよ。貴女だから抱きてえし、貴女だから妻になってほしいと思ったんだ。あまりごちゃごちゃ考えるなよ、頼むから。」
「でも・・・」
まだなにか言うか!
「・・・わたし、その、上手に出来ないかもしれません・・・」
だ~か~ら~!
「・・・だけどわたしは・・・土方さんのお嫁さんに、ちゃんとなりたい・・・」

・・・こ・ん・っ・の・お・姫・様~!!

「それに、」
俺はもうそよにしゃべらせる気はなかった。そよの手を取り、俺の股間へと導いた。俺の熱に触れたそよは「きゃっ」と声を上げ、弾かれたように手を引っ込め、俺の胸元に顔を埋めた。
「・・・わかっただろう?あんまり煽ってくれるなよ・・・」
なんとも情けない男の性だが、ごちゃごちゃいうより手っ取り早く伝わっただろう。
「そよ。『百聞は一見にしかず』って諺は知ってるか?」
そよは俺の胸に顔を寄せたまま頷く。
俺はにやっと笑って、そよを抱き上げると耳元で囁いた。
「昔のやつぁ、良い事言うもんだな。色々考えるより、俺たちも先人の名言に倣ってみるのが一番良い方法だと思わねぇか?」
3秒後そよの顔はこれ以上ないくらいに真っ赤になった。
腕の中であたふたするそよを横目に、俺は晴れ晴れとした気持ちで寝室へと帰っていった。



それから三日後。
「テメー、そよちゃんを寝こますとはどんな変態プレイしやがっタ!!」
総悟から適当なこと吹き込まれたチャイナが我が家に怒鳴り込んでくるのは、また別の話である。




【あとがき】
さあ、螺旋型でしたでしょうか(笑)?
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。