浅田弘幸作品集 眠兎 [浅田弘幸作品]
時雨が車のフロントガラスを割るシーンが強烈に残っている。
初めて読んだ浅田さんの作品であります。
眠兎より時雨に感情移入して読んでました。
そのころのわたしは眠兎たちより少し年を重ねた、After思春期のころ。
いま読み返すと自分が大人の年齢になったせいか、眠兎たちには「親たちにも同じような葛藤に苦しむ少年・少女時代があったんだよ」と言ってあげたくなる。
あと、眠兎と時雨目線(たまに服部先生も)で話が進んでいくので、彼らに敵とされ心情を語っていない大人サイドも気になりました。
例えば時雨の父親。
作品の中で想像できるのは、かなりプライドの高い人なんじゃないかな、ってことくらいですよねぇ。
時雨のお父さんは、自分が家を空けることが多いとはいえ、眠兎の父親とは違って時雨を放りださなかった。
奥さんが亡くなったとき、時雨たちに気付かれないよう、泣いていたのかもしれない。悔やんでいたのかもしれない。
憎しみ全開で向かってくる時雨を、「俺だって泣きてぇよ、コンチクショー!」なんて思ってたのかもしれない。・・・これはないか・・・(^^;)。
本当はどんな人だったんだろう・・・。
このあと、眠兎が粋花と結婚したら、楽しいことになりそうです。
時雨がお兄ちゃんで、おそらく春生が兄嫁。
「よう、弟くん」とか言われて、毎日毎日二人にからかわれるんじゃない?
とにかく、みんな、笑ってくれてるといい。
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