ヴァニラ学園 1 [ヴァニラ学園]
WEB拍手お礼SSとして掲載していたものです。
ヴァニラウェア作品のプリンセスクラウン、グリムグリモア、オーディンスフィアのクロス物語となっております。
苦手な方は、ご注意ください。
よろしければ「続きを読む」からどうぞ~。
ガンメル先生、リレ、メルセデスが出てきます。
●新入生
「ふむ・・・良い桜日和じゃな。」
校門から続く桜並木を歩きながら、ヴァニラ学園長ガンメルは微笑んだ。
あと数時間もすれば、この桜並木も新入生たちでごった返すだろう。
毎年のことではあるが、その光景を眺めていると微笑ましい気持ちでいっぱいになる。
真新しい制服は気恥ずかしいだろうか。
鞄をもつ手は震えてないだろうか。
これからの学生生活、期待も不安も大きいだろう。
だが、限りある学園生活を思う存分楽しく過ごしてほしい。
ガンメルは振り返り、まだ見ぬ生徒たちに笑顔を向ける。
「ようこそ、ヴァニラ学園へ!」
●クラスメイト
クラスの子が、ひそひそと自分を噂していることに、リレはすぐに気がついた。
『特待生ってあの金髪の子よね・・・。』
『なんでも歴代2位の成績で特待生の座を勝ち取ったっていう話よ。』
『南部出身らしいぜ?』
『へ~、南部ってなにもない町だよな。だから勉強に没頭できたんだろうな。はは。』
リレは無神経な言葉にカチンときた。
なんと失礼な!
新鮮な空気と綺麗な小川、雄大な山々に広々とした青空!
これ以上ない贅沢ではないか!
眉間にしわを寄せている自分に気づき、リレは一回ふぅと小さく深呼吸する。
―――気にしない、気にしない!リレ、集中するのよ!
と、本に意識を戻す。
すると、トントンとリレの肩を叩く者がいた。
リレが後ろを振り返ると、にっこり笑う少女と目があう。
「こんにちは。わたしメルセデスって言うの。よろしくね!」
そう言ってメルセデスは右手を差し出した。
金髪に赤茶色の瞳の、年齢よりいくぶん幼く見える少女を見つめ、
「わたしはリレ・ブラウ。こちらこそよろしく。」
と、リレも手を差し出した。
「ところで・・・あなたが特待生って噂、本当?」
メルセデスは他意を抱いている様子もなく、ズバッと聞いてきた。
「う、うん。」
リレは一瞬たじろぎながらも頷く。
メルセデスはリレの返事を聞き晴れやかな顔になり、ぱちんと両手を合わせた。
「うわ~、リレってすごいのね~!ねえリレ、早速だけど、試験期間になったら歴史を教えてくれない?わたしどう~しても歴史がダメなの・・・。」
最後の方はしゅんとなりながら、メルセデスは白状する。
―――笑ったり落ち込んだり、忙しい子。
リレはくすりと微笑んだ。
だがまっすぐな心根のメルセデスを、リレは好ましく思った。
「わたしにわかることだったら。」
リレの言葉にメルセデスは「やった!」ともう一度両手を合わせる。
自分の感情をありのまま見せるメルセデスに、リレは今ごろ南部の町でどろんこになって遊んでいるであろう弟たちを思い出し、ちょっとだけ泣きそうになった。
【あとがき】
ついつい、リレびいきになってしまいます・・・(^^;)
ヴァニラウェア作品のプリンセスクラウン、グリムグリモア、オーディンスフィアのクロス物語となっております。
苦手な方は、ご注意ください。
よろしければ「続きを読む」からどうぞ~。
ガンメル先生、リレ、メルセデスが出てきます。
●新入生
「ふむ・・・良い桜日和じゃな。」
校門から続く桜並木を歩きながら、ヴァニラ学園長ガンメルは微笑んだ。
あと数時間もすれば、この桜並木も新入生たちでごった返すだろう。
毎年のことではあるが、その光景を眺めていると微笑ましい気持ちでいっぱいになる。
真新しい制服は気恥ずかしいだろうか。
鞄をもつ手は震えてないだろうか。
これからの学生生活、期待も不安も大きいだろう。
だが、限りある学園生活を思う存分楽しく過ごしてほしい。
ガンメルは振り返り、まだ見ぬ生徒たちに笑顔を向ける。
「ようこそ、ヴァニラ学園へ!」
●クラスメイト
クラスの子が、ひそひそと自分を噂していることに、リレはすぐに気がついた。
『特待生ってあの金髪の子よね・・・。』
『なんでも歴代2位の成績で特待生の座を勝ち取ったっていう話よ。』
『南部出身らしいぜ?』
『へ~、南部ってなにもない町だよな。だから勉強に没頭できたんだろうな。はは。』
リレは無神経な言葉にカチンときた。
なんと失礼な!
新鮮な空気と綺麗な小川、雄大な山々に広々とした青空!
これ以上ない贅沢ではないか!
眉間にしわを寄せている自分に気づき、リレは一回ふぅと小さく深呼吸する。
―――気にしない、気にしない!リレ、集中するのよ!
と、本に意識を戻す。
すると、トントンとリレの肩を叩く者がいた。
リレが後ろを振り返ると、にっこり笑う少女と目があう。
「こんにちは。わたしメルセデスって言うの。よろしくね!」
そう言ってメルセデスは右手を差し出した。
金髪に赤茶色の瞳の、年齢よりいくぶん幼く見える少女を見つめ、
「わたしはリレ・ブラウ。こちらこそよろしく。」
と、リレも手を差し出した。
「ところで・・・あなたが特待生って噂、本当?」
メルセデスは他意を抱いている様子もなく、ズバッと聞いてきた。
「う、うん。」
リレは一瞬たじろぎながらも頷く。
メルセデスはリレの返事を聞き晴れやかな顔になり、ぱちんと両手を合わせた。
「うわ~、リレってすごいのね~!ねえリレ、早速だけど、試験期間になったら歴史を教えてくれない?わたしどう~しても歴史がダメなの・・・。」
最後の方はしゅんとなりながら、メルセデスは白状する。
―――笑ったり落ち込んだり、忙しい子。
リレはくすりと微笑んだ。
だがまっすぐな心根のメルセデスを、リレは好ましく思った。
「わたしにわかることだったら。」
リレの言葉にメルセデスは「やった!」ともう一度両手を合わせる。
自分の感情をありのまま見せるメルセデスに、リレは今ごろ南部の町でどろんこになって遊んでいるであろう弟たちを思い出し、ちょっとだけ泣きそうになった。
【あとがき】
ついつい、リレびいきになってしまいます・・・(^^;)
2008-09-21 03:06
nice!(0)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0