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クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅤ [DDS・デビルサマナー]


アバタールチューナーⅤ (クォンタムデビルサーガ)

アバタールチューナーⅤ (クォンタムデビルサーガ)

  • 作者: 五代 ゆう
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2011/10/21
  • メディア: 文庫


太陽と青空の下。
そして未来。


 ↓ からネタバレありの感想です。

物語は静かな終わりでした。
帯に書かれていた『新たな神話』というのは比喩ではなかった。

ゲームと違い、サーフとセラはセラフにはなりませんでした。
アルジラもシエロもゲイルも、痛い死はありませんでした。
静かな終わり。
あるいは『終わり』ではなく、実際はそこかしこに『在る』。
そういう物語。



この小説でサーフがすごく好きになりました。
「さあ、〈喰らえ〉。」「これが『生(カルマ)』だ」は、ほんとぞくぞくする。
微笑んだり、怒ったり、動揺したり、悲しんだり、泣き叫んだりするサーフ。
色んなものを喰らい、背負い込んだサーフ。
ゲームプレイヤーではない『サーフ』がとても好きだ。

ヒートはもともと好きでしたけど、やはり好きだ~。
口下手で不器用で仲間思い。
揺るがない決意でエンブリオンの仲間と戦って、誇りを持って死んでいった。
EPISODE∞の、優しいヒートが読めて嬉しかったです。

アルジラは、登場すると安心しました。
アルジラが出てくると悪いことにはならないような気がする、読者のわたしにとっても頼りになる存在でした。
ロアルドの「あんたは美人だな。いい女だ」を受けて、一人ぼそりと呟く場面は、『女性』としてのアルジラを初めて覗き見ちゃった気がして、なんだか泣きそうになりました・・・。

シエロは、アルジラとは違った意味で登場すると安心しました。
シエロが出てくると嫌なことにはならないような気がする。
シエロって泣いたり拗ねたりするけど、ここぞという時には男っぽいですよね。
大人の男になったシエロには、サーフだって、ヒートだって、ゲイルだって敵わないかもしれないぞ。

ゲイルは読んでいて驚きの連続でした。
負の感情をむき出しにするゲイルなんて、想像したことなかったですもん。
でも負の感情があるならば、正の感情もあるってこと。
エンジェルと旅するゲイルは正の感情に包まれているといいな。

セラは、泣いた回数はゲームよりも多いかもしれないですね。苦しんだ回数も。
エンブリオンのサラは不屈の戦士でした。
サーフに対する感情は、ちょっとは恋心もあったかもしれませんが、リーダーであり大切な仲間。
EPISODE∞で、セラが笑っていて良かった。

エンジェルはゲームのときよりも可哀想に思えました。
でも最後は一人じゃなくて良かった。
ゲームのように因縁はなくとも、ゲイルとエンジェルは波長が合う同士なんだね。
マダムは怖かった・・・。
なまじっかの男よりも男ぶりが凄まじい。

ロアルドは最終巻のロアルドが一番素敵ですね。
グレッグはルーパの魂の双子?父性たっぷりでした。
フレッドは格好良くて強い男に育つんだろうな。
赤ちゃんシエロだってきっと強くて優しい男に育つでしょう。



ゲームとは違った世界だけどつながった世界の『クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー』。
ゲームでも小説でも、生きていた彼ら。
ああ、またゲームもプレイしたくなってきた~!
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