クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅤ [DDS・デビルサマナー]
太陽と青空の下。
そして未来。
↓ からネタバレありの感想です。
物語は静かな終わりでした。
帯に書かれていた『新たな神話』というのは比喩ではなかった。
ゲームと違い、サーフとセラはセラフにはなりませんでした。
アルジラもシエロもゲイルも、痛い死はありませんでした。
静かな終わり。
あるいは『終わり』ではなく、実際はそこかしこに『在る』。
そういう物語。
この小説でサーフがすごく好きになりました。
「さあ、〈喰らえ〉。」「これが『生(カルマ)』だ」は、ほんとぞくぞくする。
微笑んだり、怒ったり、動揺したり、悲しんだり、泣き叫んだりするサーフ。
色んなものを喰らい、背負い込んだサーフ。
ゲームプレイヤーではない『サーフ』がとても好きだ。
ヒートはもともと好きでしたけど、やはり好きだ~。
口下手で不器用で仲間思い。
揺るがない決意でエンブリオンの仲間と戦って、誇りを持って死んでいった。
EPISODE∞の、優しいヒートが読めて嬉しかったです。
アルジラは、登場すると安心しました。
アルジラが出てくると悪いことにはならないような気がする、読者のわたしにとっても頼りになる存在でした。
ロアルドの「あんたは美人だな。いい女だ」を受けて、一人ぼそりと呟く場面は、『女性』としてのアルジラを初めて覗き見ちゃった気がして、なんだか泣きそうになりました・・・。
シエロは、アルジラとは違った意味で登場すると安心しました。
シエロが出てくると嫌なことにはならないような気がする。
シエロって泣いたり拗ねたりするけど、ここぞという時には男っぽいですよね。
大人の男になったシエロには、サーフだって、ヒートだって、ゲイルだって敵わないかもしれないぞ。
ゲイルは読んでいて驚きの連続でした。
負の感情をむき出しにするゲイルなんて、想像したことなかったですもん。
でも負の感情があるならば、正の感情もあるってこと。
エンジェルと旅するゲイルは正の感情に包まれているといいな。
セラは、泣いた回数はゲームよりも多いかもしれないですね。苦しんだ回数も。
エンブリオンのサラは不屈の戦士でした。
サーフに対する感情は、ちょっとは恋心もあったかもしれませんが、リーダーであり大切な仲間。
EPISODE∞で、セラが笑っていて良かった。
エンジェルはゲームのときよりも可哀想に思えました。
でも最後は一人じゃなくて良かった。
ゲームのように因縁はなくとも、ゲイルとエンジェルは波長が合う同士なんだね。
マダムは怖かった・・・。
なまじっかの男よりも男ぶりが凄まじい。
ロアルドは最終巻のロアルドが一番素敵ですね。
グレッグはルーパの魂の双子?父性たっぷりでした。
フレッドは格好良くて強い男に育つんだろうな。
赤ちゃんシエロだってきっと強くて優しい男に育つでしょう。
ゲームとは違った世界だけどつながった世界の『クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー』。
ゲームでも小説でも、生きていた彼ら。
ああ、またゲームもプレイしたくなってきた~!
コメント 0