コダマの谷 [入江亜季作品]
英題 : Now he’s gone from Echo Valley
このタイトルかっこ良いなぁ!
帯についていたコピーも素敵です。まだ出会って(読んで)もいない主人公なのに、「さようなら、ニール・ライダー」。
~コダマの谷~
王立大学の生徒のお話です。主役であるニール・ライダーの話というよりも、彼を中心に話が進んでいく感じです(中心というよりニールは巻き込まれている、と言ったほうが正しいかも)。王子も出てくれば姫も出てくる。一癖ある学院長もいるし、素直でよい子もいる。(むにゃむにゃマージはかわいいっ!)
ニールは主人公だけど、あまり語りません。秘められた事情も匂わす程度で明言はされてない。良い意味でも悪い意味でもキーパーソンであるモーリスをじっくり見てみたかったです。まあ、ニールにはマージがいるのでこれからも大丈夫でしょう。あとニールの書類が散らかってる部屋の描写がすごく好きだ・・・。
王子はしっかりと自分の描いていた布陣を実現しているような気がする。王様やるしか能がない、というのはある意味素晴らしい褒め言葉。おバカなのかもしれないけど、人を見る目があり使いどころも知っている。ウーナにべた甘っていうのもいいです。ユリウスは大変そうだけど、あの王子はサポートしがいもありそう。ちなみにわたしはユリウスが一番好きでした。
あと学院長も忘れてはいけない。王子以上に自分の描いていた未来になっているんじゃないかな?
もしかして『群青学舎』の「とりこの姫」はコダマの谷での話でしょうか?制服が似ている気がする。もしそうならマリオンがあそこにいるのはウーナのおねだりのおかげ、ですね。
~フクちゃん旅また旅~
フクちゃんとお父さんの旅物語。「キツネ」「ひとめぼれ」「開花」が好きです。きっとまたフクちゃんの旅は続く。
群青学舎 1 [入江亜季作品]
表紙の感じや絵柄が好みだったので購入してみました。大当たりでした。
持久力がないせいか(飽きっぽいともいう・・・)、長期連載ものに手が出しずらくなってきていたのですが、この本は短編集。連作であっても一冊に収録されているという、なんともありがたい本です。
現代風であったり昔話風であったり、舞台も日本であったりヨーロッパであったりと、様々なジャンルのお話が描かれています。
読んでいて目を引くのは、石畳や木目などの背景の細かさ。森の風景は、ざわざわした感じが溢れ出て、読んでいてぞわぞわします。
登場人物は、老若男女問わずに愛おしいです。特に思春期の女の子のかわいらしさは尋常じゃない・・・。そしてちゅーがこれまた可愛いのです。
お気に入りの男子は静間。もともと素行がよろしくない男子X優等生女子という組み合わせが大好きなので。静間が暗い所から漣子を引きづりあげる姿はかっこいいの一言。「アホ」で黙らしちゃうんだもんなぁ。漣子の歯を食いしばってるような泣き顔も好き。甘えがただもれしちゃうとこも可愛いな。何より二人のちゅー・・・。
女子はマリオンかなぁ。この子はデレツンとでもいうのか・・・?ほんと、食われちゃうからそのままでいて下さい・・・。
他にも、クリスは傲慢だけどちょっといい気味だし、自然に愛されているおばあちゃんはかわいいし、春日君は都さんに振り回されているのがいいし、宇佐美くんは思春期思春期!でいいし、ユリアナは父上そっくりだし騎士たちはは思わず裏表紙で確認してしまったし、ティナは色っぽいし・・・。見所満載。
今現在、2巻まで出版されているようなので、近いうちに購入せねば、と思っております。