SSブログ

ナイトレイド小話 [いろいろ小話]

閃光のナイトレイド第9話を見てふと思いついた小話(・・・というより会話)です。
こういうのは勢いだ(笑)!

第9話の状況を思いっきりネタバレしてます。

 ↓ からスタートです。

アニメに出てきたセリフとは違っておりますよ。


●屋根にて(葛と葵)

しゅっと空気が揺れる音がした。葵が目を向けると、そこに葛の姿があった。
「葵・・・。」
低い葛の声に葵は手を挙げ、自分に面倒を起こす意思がないことを示す。
「葛、俺の話を聞いてくれ。」
葛からの返事はない。代わりに葛は懐から銃を抜き、銃口を葵へと向けた。
「ちょっと待て。」
「何を待つというのだ。」
葛の瞳の中に怒りが見てとれる。
「なぜここに居る、葵。」
「・・・・・。」
「・・・任務放棄か?貴様のその行動が、俺たちや桜井さんにどう影響を及ぼすのか考えなかったのか。」
腹の中にちくりとした痛みを感じ、葵は葛から目をそらした。
「・・・頼む、俺の話を聞いてくれ。」
「貴様の言い逃れなど聞く耳もたん。」
葛に見つかった場合こうなることは予想していたが、葛の四角四面の頭に葵は舌打ちする。
「聞いてくれ、この部屋に居るのは、俺の」
「・・・夜這いなど、言語道断!」

「・・・・・・・は?」

重ねられた不穏な言葉に葵は顔をあげ、葛を見た。
葛は至って真面目な表情をしている。
葛は本気だった。真剣そのものだった。
「お、おい、葛、」
「しかも、その荒縄は何だ!女の肌に傷をつけようとは、貴様、一体何を考えている!」
「はあ!?」

こめかみに青筋を立て怒る葛に、『お前こそ一体今までどんな春画見てきたんだよ・・・!』と思わずにはいられない葵であった・・・。




●民家にて(葵と静音)

「どうぞわたしのことは、お忘れください・・・。」
そう言って静音は葵に背を向け、扉を開けた。
「・・・そっちは物置だ。」
「え・・・。」
静音は扉を閉め、隣の扉へ移動した。
「・・・そっちは寝室。」
「え・・・。」
再び静音は扉を閉め、そのまた隣の扉へ移動した。
「・・・そっちは洗面所。」
「・・・・・。」

頬を染め、バツが悪そうに扉を閉める静音を、『ああ、どこも変ってやしないじゃないか・・・!』と抱きしめる葵であった・・・。




●ホテルにて(棗と雪菜)

雪菜がレストランで気を失ってから、既に1時間ほど経った。
棗はベッドから少し離れた椅子で、雪菜の目覚めを待っていた。
「・・・はっ!」
雪菜の荒い呼吸に、棗はベッドに駆け寄る。
「お嬢様。」
棗を目にし安心した雪菜はゆっくりと体を起こした。
「大丈夫ですか、お嬢様。」
「ええ、もう大丈夫・・・。」
言葉の割に、雪菜の頬には冷や汗が伝っていた。
「・・・若様からどんなことを・・・?」
白い雪菜の横顔を心配そうに見つめ、棗は聞いた。
「・・・お兄様・・・。」
雪菜の手がぎゅっとシーツを握りしめる。
勲は雪菜に傷を負うかもしれぬと言っていた。よっぽど酷いものを見せられたに違いない。棗は握りしめた雪菜の手の上に、自らの手を乗せた。
「・・・男の人って・・・」
「・・・?」
雪菜の白い頬に段々血の色が戻ってきた。というより、頬が紅潮しているようだ。
「いつも、あんな・・・!そんなこと考えて・・・!」
「お嬢様?」
次第に感情が高ぶる雪菜に棗は声をかける。
「・・・信じられない・・・!」
雪菜はわなわなと震えだし、わっと手で顔を覆った。

「いや~!!!不潔よ~~!!」
「お嬢様!?」

―――一体お嬢様にどんなものを見せたというのです、若・・・!
雪菜に水を運びながら、心の中で勲に問いかける棗であった・・・。




【あとがき】
なぜかシモよりの話になってしまいました(笑)。
勲兄さんが思っている以上に雪菜の能力が強かったら、いろ~んなことがバレてしまうと思います。
とりあえず、葛と勲兄さん、ごめんなさい(笑)!
nice!(7)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アニメ

nice! 7

コメント 2

瓶太郎

凄いですね!

by 瓶太郎 (2010-06-06 10:44) 

ハンタ

瓶太郎様

こんにちは~。
コメント、どうもありがとうございます!

「閃光のナイトレイド」、シリアスなアニメなんですよ。
だから、ついついフザケタことを考えたくなってしまうのです(笑)。
by ハンタ (2010-06-06 17:14) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。